日本国憲法第97条「この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であって」が指す意味を、デザイナーであり、ドイツでのナチの弾圧による総合的造形学校バウハウス廃校と、そのような歴史を繰り返すまいと構想されたウルム造形大学創立を知る身として、私は理解しているつもりです。私は、デザイン史を通して今日の日本社会に似た先例を知っています。そういう一人として、デザイナーとしても市民としても振る舞わねばならないと自負しています。そして、憲法第12条にも「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない」とあります。日本思想史研究とそれにもとづく社会活動に力を尽くした歴史学者、家永三郎の著書『太平洋戦争』 (岩波書店、1968年) 275頁に、以下の記述があります。「占領軍がその原案を起草するに当り、自由民権論者の私擬的憲法草案等を参考として起草された日本人有志の憲法研究会の草案から多くをとり入れている (著者は巻末に出典を注記。憲法調査会『憲法制定の経過に関する小委員会報告書』・佐藤達夫『日本国憲法成立史』第二巻) 」。私は、こうした日本国憲法が、いわば「人類史が結んだ実」として民主的に本当によくできていると、この国の社会の根源的な問題が目を背けてはいられないばかりに露出した東日本大震災発生以降、そう得心しています。第12条「自由及び権利は、国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない」は義務的な書き方ですが、他方「この憲法が国民に保障する」「権利」とも読めます。だから、私たちは「自由及び権利」を保持しようと努めてよいと、市民そしてデザイナーとして私は理解し、行動しています。今は、日本国憲法第97条の尊重の上に、第12条に則ってこれを護り、真の反社会勢力と見なせるあなた方、安倍政権を倒して、私たちの自由と平和を守るべき時と考えています。

廣瀬俊介(環境デザイナー)

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