ISSUE STATEMENT『ヘイトスピーチ:ファシズムと戦争に向かうヘイトスピーチを放置している安倍政権に断固「NO!」の声を!』

ヘイトスピーチを許さない市民の声が行政を動かし、2016年6月3日に「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律」、いわゆる「ヘイトスピーチ解消法」が公布・施行されました。

「ヘイトスピーチ解消法」は罰則規定を持たない理念法であるため、当初からその実効性についての疑問の声もありましたが、施行直後に川崎で予定されていたヘイトスピーチデモに多くの市民が集まり抗議を行った結果、初めてヘイトスピーチデモが主催者の判断により中止になるという成果を生むことができました。また地方自治の場においては、ヘイトスピーチが行われることが予想される団体への公共施設の貸し出しを規制する動きなどもあり、少しずつですがヘイトスピーチを行う差別主義者、差別団体への社会からの包囲が強まってきています。

しかしヘイトスピーチデモや人種差別を扇動する街頭宣伝行動が無くなったわけではなく、「ヘイトスピーチ解消法」施行以降も、回数は少なくなったとはいえ繁華街を中心にしたデモや街宣が引き続き行われています。

ネット上でのヘイトスピーチ問題についても全世界的に大きな問題として取り上げられるようになり、ドイツでは2018年から、ソーシャルメディアにヘイトスピーチやフェイクニュース、違法コンテンツの速やかな削除を義務付ける新法が施行されています。200万人を超える利用者を抱えているSNS企業やメディア企業は、「明らかに違法な」投稿を24時間以内に削除しない場合に最大で5,000万ユーロ(約68億円)の罰金を科せられることになります。

この動きに対応して、日本のFacebook社やTwitter社も自社の利用規約の改正などを行い、ヘイトスピーチコンテンツへの対応を行い始めています。しかし、まだまだヘイトスピーチが放置されており企業として真伨に対応しているとは思えないとの利用者の声を受け、2017年9月にはTwitter日本支社のあるビルの前で、大々的な抗議行動も実施されました。またニコニコ動画や5ちゃんねるなど、両社以外のSNSにおいては、これまでと変わらずヘイトスピーチが日々垂れ流されている状況です。

2020年にオリンピックが開かれる東京都の小池都知事は、2017年9月に行われた関東大震災における朝鮮人虐殺の犠牲者を追悼する慰霊祭への追悼文の送付を取りやめたことに対し、多くの批判の声が寄せられました。このような姿勢は海外でも報道されており、オリンピック開催で訪れる多くの観光客の安全を保証する自治体としての姿勢を表し、役割を果たしているとは全く言えません。

日本政府・安倍政権は、朝鮮民主主義人民共和国の大陸間弾道ミサイル実験への対応として、アメリカと協調しながら経済的ならびに軍事的圧力を強めようとしています。その姿勢はネット右翼と呼ばれる層を刺激し、より一層ヘイトスピーチの蔓延を招いています。基本的人権を尊重し、国籍や出自、人種、民族、性別、性的指向などを理由にし人権を抑圧したり差別扇動を促すヘイトスピーチが野放しにすることは、平和な社会を作るためにはとても危険であり大きな障害です。私たちはこれからの未来に向けヘイトスピーチが聞こえてこない社会を作っていかなければいけません。