ISSUE STATEMENT『消費税増税:いま、多くの人が、「社会保障財源」「財政再建」のため、という政府のウソを見抜きつつあります』

 2014年4月の消費税率8%への増税から早、1年がたとうとしています。

 「ただでさえ少ない収入。これでは親元から自立も結婚もできない」と若い人たち。「年金の引き下げとダブルパンチ。年金1か月分が税金で消える」、「買い物の回数を減らして自己防衛しているの悲鳴。中小事業者からは「納税額は1.6倍。円安不況とダブルパンチでもうやっていけない」と絶望。サラリーマンからは「賃上げは一部の大企業だけ。むしろ下がっている」と嘆きの声が上がっています。内閣府が2月16日に発表した2014年・年間を通しての国内総生産(GDP、速報値)実質成長率は0%。安倍晋三政権の経済政策「アベノミクス」が、日本の経済成長を阻害していることが数字でも明白に示されました。

 政府・与党は、メディアを取り込み、巨額の税金を投入してCMも使い、「消費税の使い道は社会保障」と世論誘導しようとしています。実際は社会保障の切り捨てには拍車がかかっています。この4月からは、「自然増の削減」を復活、70歳から74歳の医療費窓口負担、介護保険料、国民年金保険料などが上がり、年金支給額も0.5%、児童扶養手当が0.3%減額されます。

 消費税の導入以来の25年間で国民が支払った消費税は累計282兆円を超えています。その一方で、同時期の法人3税(法人税、法人住民税、法人事業税)は、度重なる減税によって約254兆円の減収です。消費税は福祉に使われず大企業への減税の財源になってきたのが事実です。

 8%への増税が国民生活を直撃しGDPを押し下げている現実からも、大企業・財界言いなりの庶民増税が富の集中につながり、格差と貧困をさらに拡大すること、それが経済の持続的発展の障害となることが証明されています。私たちは、「増税中止こそ最大の景気対策」「国民のフトコロを直接あたためる施策を」と主張してきました。これは、多くの皆さんから賛意をえられるのではないでしょうか。実は大企業の法人3税の実際の負担率は、実効税率の36%よりもかなり低くなっています。現行法で適正な課税をすれば、すぐに5兆3500億円の財源が捻出できるという試算もだされています。

 安倍政権の暴走を支える財源のすべてが、結局のところ税と社会保障の一体改悪によってつくり出されており、それが社会のゆがみと格差を増幅させています。

 私たちの暮らしは増税を受け入れる条件も実態もありません。いま、多くの人が、「社会保障財源」「財政再建」のため、という政府のウソを見抜きつつあります。「これまで国民に大増税を」押し付けた政権は、残らず退陣に追い込まれています。消費税の問題は、単に税だけの問題ではなく、社会的不公正をただす運動の最先端。あらゆる分野で安倍暴走政治の犠牲になっている99%のみなさんと手をつなぐ運動に発展していくと確信しています。

 最後に、今年は戦後70年です。消費税増税反対の運動は、同時に「憲法改悪」を押しとどめるたたかいでもあります。消費税は、歴史的には、欧州での戦時税制がその発端です。安倍政権は、憲法を変えて国のかたちを根本から歪める策動を強めています。「戦争する国」づくりへのたくらみを、財政的に支えるのが消費税増税路線・消費税を国の税収の中心にすえた税制への転換です。消費税の7つの大罪、特に、「消費税は戦費調達」の性格を持つということを、多くの人に知らせていきたいと思います。

消費税・7つの大罪

  1. 景気を底から冷やす。

  2. 低所得者ほど負担が重い。

  3. 徹底した大企業優遇税制。

  4. 大企業のリストラ推進税制。

  5. 中小企業の営業破壊税。

  6. 膨大な滞納を招く欠陥税制。

  7. 消費税増税は「戦争税」。