ISSUE STATEMENT 『教育:「学校教育」と「研究」のすべてを国家の統制手段に利用しようとする安倍教育政策に反対します!』


 2007年の教育基本法の改悪に始まり、教科書問題、道徳の教科化など子どもたちの教育環境はますます悪化しています。一方、子どもたちを指導する教員や、研究者にも、自由な教育を許さない環境がますます強化されようとしています。

 この間の安倍政権の教育政策は、グローバルエコノミーに打ち勝つことを至上目的とし、この目的を実現するには戦争もいとわないという国家づくりを進めるものです。これは、初等中等教育における教育に対する不当な支配の禁止した現行教育基本法や、日本の最高裁大法廷判決もが承認している子どもの学習する権利とそれを実現するための教師の教育の自由を侵していることは明らかです。そればかりでなく、大学における学問の自由と大学の自治、さらには、それを基盤に出来上がっている大学における教員養成という基本的な考え方さえをも台無しにしようとしています。

 安倍内閣は、最近になって矢継ぎ早に、国立大学を含む高等教育に関する施策を打ち出しています。その高等教育政策の基調は、公教育全体の機能を人材育成に特化させることに伴い、真理の追求と次世代への継承という大学本来の機能をごく一部の大学にのみ認め、それ以外の大学の機能を経済界の即戦力となる人材育成にシフトさせること。それに伴い、大学への入学を個々の大学が準備する試験に基づいて個々の大学が判断するというものから、企業や業者が市場に提供する様々なテストに依拠して大学が判断するものへと変えようという方針を昨年暮れに示しました。これらのために、教授会の権限を縮小し、これまでは実質的な審議決定機関であった教授会を学長の諮問機関へと格下げする学校教育法改正法案を昨年の通常国会で成立させました。

 そして、今年に入ってからは、国立大学法人の運営する大学における入学式などの行事において国旗・国歌の取扱い、具体的には、国旗に正対しての国歌の斉唱を「要請」するという方針を国会答弁において明らかにしました。さらには、「大学における教員養成」と教育の地方自治に基づく地教委ごとの採用試験の実施という戦後教育改革で打ちたれられた基本的な考え方を大幅に改め、2年間の試補期間の後に、国家試験を受けて始めて教員に採用される仕組みを導入すべきことを提案するに至っています。

 このようなもとで、真理の探究は行なえません。そして、それはすべて最後には子どもたちの教育に終着します。

  • 私たちは、「学校教育」と「研究」のすべてを国家の統制手段に利用しようとする安倍教育政策に反対します。

  • 私たちは、政府が国旗掲揚・国歌斉唱の導入を大学に「要請」することに反対します。

  • 私たちは、教員採用試験の国家試験化に反対します。

  • 私たちは、教授会の権限を縮小する改正学校教育法の廃止を求めます。

  • 私たちは、日本国憲法、国際人権条約、そして、現行教育法においても継承されている戦後教育改革の理念を実現する教育政策を立案・実施すべきことを政府に要求します。